テーマ曲
作詞:ユドウフ・ハラヘルデ・ヘス
(クールファイブの「北ホテル」でどうぞ)
強制収容所の建設
自然に恵まれた静かな山。春にはうす紅色の花びらをつけた桜が咲き、山の麓は白梅と紅梅の裾模様、紅白で彩られた舞台の奥からは春告鳥の輪唱が聞こえる。赤と白で飾られた舞台はまもなく緑に変わり、雨の季節の始まりと共に、カエルの合唱団の登場である。
山の季節は瞬く間に変わる。
突然、太鼓が天に響き渡り、稲妻を伴った雷神が夏の到来を告げる。激しい夕立に逃げまどうタヌキ、兎、鳥の群。地上のざわめきを知ってか知らぬか、水の中ではしゃぎ回る川魚たち。
やがて秋の訪れ。
雷神交響楽団が退場し、山里に雁の第一陣が舞い降りる頃、山では赤と黄色のもみじの狂宴の準備がはじまる。夜になると、草陰から物悲しい虫の独唱が聞こえてくる。
それを心ゆくまで堪能するまもなく、山里に冷たい北風が吹きこみ、雪が舞い始める。
またたくまに山は雪で覆われ、雪は全ての音を飲み込み、静寂だけが支配する水墨画の世界となる。
この山に住む生き物たちはこの静かな山で、平和に暮らしていける・・・・・・
はずであった。
不法投棄による環境破壊が進み、不法投棄問題解決委員会は環境大臣に申し入れをした。
委員会の会長は環境大臣に切々と訴えた。
「教えてください。
この世に生きとしいけるものが出すゴミに
限りがないのならばぁ〜〜〜〜
海は死にますか 山は死にますか
風はどうですか 空は死にますか。
おしえてぁ〜〜〜〜〜ください ぃぃぃ〜〜
春は死にますか 秋は死にますか
私の大切な故郷もみんな 逝ってしまいますかぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
(元歌・さだまさし防人の歌)
19××年、
ドドイツ帝国の科学者ユドウフ・ハラヘルデ・ヘスが発表した論文「ドドイツ帝国におけるゴミ問題最終解決」は国内で高い評価を受け、計画は実行に移されることになった。
ドドイツ山の中腹に家庭のゴミから企業の出す廃棄物まであらゆる種類のゴミを処理できるアウチアッチッチゴミ強制収容所が建設され初代所長にはユドウフ・ハラヘルデ・ヘスが任命された。
アウチアッチッチ収容所のオープン前夜、ドドイツ帝国総統は世界中から首脳陣やセレブ、ハリウッドの金髪美人を集め酒池肉林の盛大な完成披露パーティーを開いた。
「あなたに会えてよかったぁ。
あなたにはゴミの匂いがする。
町は今、ゴミダメの中、あのゴミを減らすのは、あなぁぁたぁ〜」
と、総統閣下から暖かいお言葉をいただいたヘスは立ち上がってきおつけの姿勢を取り、右手を斜め前に出し、総統に感謝の意を述べた。
「ありがたや、ありがたや、ありがたや、ありがたや。
近頃 地球もゴミが増えて、
右も左も満員だ
だけど捨てるとこ沢山ござる
空にゃフロンに 地にゃサリン
ありがたや、ありがたや、ありがたや、ありがたや」
(ありがたや節)
続く・・・