雑記帳

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医者嫌い

最近、具合が悪い、もしかして病気かなと思ったとき・・・・・・
あなたはどのタイプだろうか?
1、 すぐに病院に行く
2、 しばらく様子を見て、それでも治らなければ病院に行く
3、 我慢できる症状なら自分で何とかする
4、 何もしない。ただ天命に従うのみ。

もちろんこれは、病気の程度にもよるが、我慢比べではないのだから、健康で快適な生活をしたければ早めに医者に診てもらった方がいい。かつては不治の病といわれた癌ですら初期の段階ならば完治するというくらいだから、早期発見、早期治療がいかに重要かは言うまでもないことである。近所の人の話では、身体の具合が悪くなると病院の待合室に行って知り合いを見つけ、嫁の悪口を言って帰ってくるオバァチャンがいるらしい。そうすることでストレスが解消され元気になるというのなら、これも早期治療のひとつということになるのだろう。

 
私はといえば、冒頭に書いた4タイプの中の4番に近い3番だと思う。褒められた話ではないが、自分ごときの病気のために金を使うのはもったいないような気がするのだ。これは若いころ、借金だらけの生活を経験したせいで、そういう考えになってしまったようだ。医者に払う金があるなら借金の返済に回した方がいい、そうしないと子供のミルクも買えないというお涙頂戴浪花節的暮らしを約10年間続けた。友人は私のことを医者嫌いだと思っているようだが、そうではない。医者に行く金がなかったのだ。そういうわけで自分の体に随分と無理をさせてしまった。そのせいなのか40を過ぎたころから一気に体の調子が悪くなり、今は貧乏人ではなく半病人になってしまった。
人の身体は自分で思うほど弱くもなければ強くもない。無理をすればそのときは良くても何十年後に、酷使されたことを恨みに思った「体」から報復される。どこぞの国で起こっているテロと同じなのだ。だからテロの嵐が吹き荒れる前に手を打たなければならない。皆様も、身体の具合が悪い時は、無理をせず、なるべく早めに医者に行き、お身体ご自愛くださいと、人には言うのだが・・・・・・。


病院には何故、値段を書いた診察メニューがないのだろうか。診察が終わって会計の窓口で呼ばれるまで値段がわからないというのは、『時価』とかいたメニューしかない料亭にいるような気になってくる。お金が足りなかったらどうしようと、後で足りない分を持ってきますなんて言うのは恥ずかしい、と、そんなことを考えていると何か胸のあたりがざわざわしてしょうがない。診察中も、先生から「レントゲンを撮ります」と言われると、『何枚撮るんだろうか、一枚いくらだろうか』と値段が気になってしょうがない。先生の口から検査の名前が出るたびに、頭の中で電卓の数字がパチパチして病気の心配よりも治療費の心配のほうが大きくなっていくのである。
病院からの帰り道にいつも思うことは、
『血液検査、CT,MRI,その他いろいろ、痛い思いをして血をとられて、何故、こっちが金を払わなければいけないのか・・・・・・ああ、理不尽だ、理不尽だ!』


病院の待合室には『健康に勝る宝なし。健康第一。定期健診で病気を予防。早期発見に努めましょう』と書いたポスターが貼ってある。まったくもってその通り。これが良いことはわかっているが、私の場合は、どうしても貧乏暮らしで染みついたドケチ根性が災いして、病院に行くのをやめてしまう。
現在、更年期に片頭痛、高血圧、腰痛、四肢の痺れなど、いくつかの病気を抱えているが、先ず最初に治さなければならないのは『医者に行きたくない症候群』かもしれない。