雑記帳

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東農ツアー1

本日はマタタビ観光ネコバスをご利用頂き誠にありがとうございます。

 

只今よりほんの数分、美濃国二次元の旅のお供をさせていただきます乗務員は、私、鰹小路数の子かつおこうじかずのこ)と申します。ドライバーは乗せておりませんので道に迷わぬよう、皆様、どうぞお手元にグーグルマップのご用意をお願いいたします。

 

日本地図岐阜

「グーグルマップ」開きましたら、日本のど真ん中、ご覧になってください。モコモコした羊の頭のように見えるところが岐阜県です。羊の頭だと思ってみればそのように見えてきます。お子さんに教えてあげてくださいね。岐阜は羊の頭です。これで地理のテストで五点は稼げると思います。日頃、奥様とお子様に頭が上がらないお父様、お株をあげるチャンスですよ。「お父さん、すごい」と言われるかどうかはそれぞれのご家庭で事情もあるかと思いますが、後ほど、禅寺へと皆様をお連れ致しますので、今しばらくは過酷な現実を忘れて、バーチャルツアー、心ゆくまでお楽しみください。

 


 今朝は上高地白骨温泉ネコバスステーションで皆様とお会いしましたね。発車まで時間がありましたので、野天風呂にはいられた方もいらっしゃるかと思います。乳白色のお湯加減はいかがでしたでしょうか。白骨の湯に三日入れば三年風邪をひかないと言われております。湯治も兼ねて何日も滞在される方も多いと聞きますが、お湯に長時間浸かりすぎるとかえって健康を損ねる場合もございますので、特に、お年を召された方は温泉の効能書きをよくお読みになってからお入りになってくださいね。一番うしろの座席にお座りのお客様は、ずいぶん長い時間お入りになっていたようですね。ほとんど白骨化されておりますので、永久にお風邪をお召しになることはないでしょうね。ゆっくりお休みのようですので、後ろのお客様のことは気にせずバスを進めて行きたいと思います。

 


さてこれからですね、本日のコースをご案内させていただきます。

 

皆様、マップを拡大していただき、白骨温泉左側に連なる乗鞍岳をご覧下さい。

乗鞍岳


「乗鞍のかなた春星かぎりなし」と大正時代の俳人前田普羅(まえだふら)が謳った乗鞍岳には二十三の峰、七つの湖、八つの平原がございます。只今、ネコバスは乗鞍二十三峰のひとつ「猫岳」を超えて158号線を左に進み、合掌作りとからくり人形、朝市と赤かぶの漬物で有名な飛騨高山に向かっております。そのあとは国道41号線に沿って南に下り、古くから美濃焼の産地として知られる土と炎の街、最近では『日本一暑い街選手権』で常に上位にランクされる多治見市へと進めていきたいと思います。30センチのものさしで測れるほどの距離ですが、途中、ご気分の悪くなられた方は、私にお申し付けくださっても何も出来ませんので、エチケット袋はお客様の方でご用意くださるようお願いいたします。リクライニングシートをご利用されるお客様で椅子をお倒しになるときは、後ろで猫様がお休みになっている場合もございますので、ご迷惑にならぬようご配慮頂き、猫様がお目覚めになるまで待っていただくなどのご協力をお願いいたします。

 

次回をお楽しみに。